『微熱の街』鳴海章

寺多政道、通称テラマサ。関東粋星会若頭心得―四十もなかばすぎて自前の組を持てない半端な俺だ。犬ころみてえに慕い寄ってくる日系ブラジル人の扶利夫だけが弟分よ。そんな俺のもとに八歳のガキが現れた途端、トカレフ持った正体不明の連中に襲われた。ガキをかくまったゲイバーのタミィとその女房子供も惨殺された。加えて、警視庁公案局テロ対策準備室長とやらのお出ましだ。クソッ、いったい何が、どうなってるんだ。(「BOOK」データベースより)

鳴海章の本はそれなりに読んでるけど、自分が読んだ中では体制側(警官とか自衛官とか)や、元体制側の人間が主人公のことが多いんだけど、これは中年やくざが主人公。それより他の作品と違うなと思ったのは終止一人称視点で話が進んでるってことかも。ま、読んでないのでそう言うのもあるのかもしれないけど。

あと、他の作品は戦闘機だったり銃器だったりはするけど武器に対する拘りが作品の骨子になってるのだけど、これはその辺が薄らいでるかな。だけど話としてはけっこう面白い。思わぬどんでんもあったりして。