『綱渡り』山崎ハコ

内容(「CDジャーナル」データベースより)
76年にエレックで発表された2ndアルバム。ただ頑張るしかない女の悲鳴に似た6は,ひとりの女のドラマを見事に描いた名作だと思う。ハコの歌は深い悲しみの底にありながら,かすかな燈りを求める力を持っている。悲しみに甘えないすごさがある。

前年リリースの『飛・び・ま・す』に続くセカンドアルバム。基本的な音楽性は前作同様だけど、アレンジがいろいろ凝っていたりとそれなりの違いは。前作では明るめの歌はちょっと無理っぽい感じがしたのだけど、『歌いたいの』は「耳をふさいでいてもいいの」などと歌いながらも、それでもなんでも歌いたいのよと主張している。この辺は頭の中で作った世界ではない、本音が素直に出てきているのではないだろうか。

で、先にアレンジがなんてことを書いたのだけど、正直に言って変にアレンジ凝らない方がいいのではないだろうか。歌に力があるのだけど、どちらかと言うと暗く、重たい歌が多い作風、装飾的なアレンジが耳障りに感じる。基本はヘビーゲージを張ったアコースティックギター一本の弾き語り、せいぜい別のアコギが絡んでくるだけでほとんどの曲は十分聞かせられると思うのだけど。