LIMIT(全四巻) フランク・シェッツィング著 北川和代訳

軌道エレベーターを使っての月のヘリウム3採掘が実用化された近未来を舞台に、月でのスーツケース核爆弾を使ってのテロ計画を軸に上海、ベルリン、ロンドンで謎を追う三人組。一方月ではテロリストが行動を開始して。さらにテロの黒幕は?
微妙な近未来が舞台なので未来予測が一つの肝。個人所有の航空機が都市部で運用されるようには早々ならないんじゃないかなあとか、コンピューターはもっと進化してるんじゃないだろうかとかってのもあるのだけど、軌道エレベーターがどうなるのかが予測としては決め手かな。SFとしては新しいネタでもないし、実現に向けて研究開発も行われているのだけど現実にはどうかなあ。建設できても地球にあんなものを作るのは壊れたときのことを考えると怖すぎる。
全四巻を読み終わって、面白かったけど冗長でもあったかなと言うのが実感。あっちこっち刈り込んで半分ぐらいにしてもよかったんじゃないだろうか。