『魂追い』田辺青蛙

『生き屏風』の続編と言っていいのかな。同じ世界で前作の主人公(?)県境の妖鬼皐月が魂追いの少年縁(えにし)と出会う所から話は始まる。前作が「里」に腰を据えて時間軸が進行して行ったのに対して本作は時間変化は少ないが皐月と縁の二人組が旅をする。ある意味、軸が直交した形で物語が綴られている。

なーんてことはあたしみたいな読者にはどうでもよくて、あの世界の物語がまた読めて単純に嬉しいのである。皐月もこの旅で成長と言う訳ではないけど変化して、これからの展開が(あればの話だが)楽しみだし。

個人的には猫師匠や狐妖さんと差しつ差されつやりたいなんて呑兵衛丸出しのことを考えているのだが。