モラルハザードねえ

 なんでだか7/13付けの『27歳で1,200万円! 国民の働く意欲削ぐ講談社の異常賃金』と言う記事(?)があっちゃこちゃで話題に上っていたのでざっくりと読んでみた。講談社の給料が他の大抵の仕事と比べて高いって話と、出版業界が再販制度に保護されているって話がごっちゃになってるのかなぁ。
 再販制度に関しては講談社だけが保護されているわけじゃなくて出版業界全体が保護されているので、その是非は講談社の給料とは切り離して議論すべきでしょう。欠点も多いけど利点も無いわけではない制度だと思うので、現実に即して直すべきところを直せばいいのではないか。
 で、主題に上っている講談社の給料だけど、講談社の給料がよそよりいいからってそれが「国民の働く意欲を削ぐ」につながるのがよくわからない。再販制度に保護された出版業界全体の給料が他の業界と比べて破格によくて出版業界全体が「国民の働く意欲を削」いでいるってのらいざ知らず、講談社が出版業界の中でも羽振りがいいって言うのは別に悪いことではないんじゃないだろうか、営利企業なんだし。
 さらに「ライターや消費者から搾取していることも問題だ」ってんだけど、少なくとも消費者は(再販制度の分は別とすると)搾取されてはいないでしょう。講談社の出版物を買わなければならないわけでもないし、講談社の出版物が他社より高いわけでもないんだから。で、かなりの情報をネット経由で入手できる昨今、雑誌なんて買わないって言う選択肢も選択しやすくなっているわけで。
 ライターは搾取されてるかもしれないけど、だったらもっとギャラのいい所で仕事すればいいだけの話。そうすれば出版物の質が下がって講談社の業績が悪くなるのでは?それでも業績悪化しないとしたら所詮その程度のライター使っても売れる雑誌を作れる能力を誉めるべきでしょう。
 いずれにせよ自分が金を出さなくてもいい相手の給料が現時点でいいからってモラルハザードなんて起きないでしょ。そんなものより天下りのために作られた○○省外郭団体とか、その手のほうがよっぽど酷い。