『ナイトホークス』上下巻 マイクル・コナリー(古沢嘉通)

内容(「BOOK」データベースより)
ブラック・エコー。地下に張り巡るトンネルの暗闇の中、湿った空虚さの中にこだまする自分の息を兵士たちはこう呼んだ…。パイプの中で死体で発見された、かつての戦友メドーズ。未だヴェトナム戦争の悪夢に悩まされ、眠れぬ夜を過ごす刑事ボッシュにとっては、20年前の悪夢が蘇る。事故死の処理に割り切れなさを感じ捜査を強行したボッシュ。だが、意外にもFBIが介入。メドーズは、未解決の銀行強盗事件の有力容疑者だった。孤独でタフな刑事の孤立無援の捜査と、哀しく意外な真相をクールに描く長編ハードボイルド。

内容(「BOOK」データベースより)
ボッシュは身内であるロス市警の監視に邪摩されながらもFBIの女捜査官エレノアとの捜査を継続。なんとかメドーズの仲間らしき人物を特定するが、片や事件の目撃者の少年は何者かに殺されてしまう。同時に銀行強盗事件の洗い直しで不審なヴェトナム人を発見、男に会いに行こうとした矢先、ボッシュらは謎の車に殺されかける。やはり内通者が…。ボッシュの疑念が増す中、事件は新たな局面へ。ヴェトナムを生き抜いた一匹狼の刑事が迷い込む、迷路のようなLAの悪夢を描き切る、期待の新鋭の力作。

マイクル・コナリーのハリー・ボッシュシリーズ第一作。主人公・ボッシュベトナムでの任務はトンネル工兵ってことでちょっと他とは違った成り立ち。狭いトンネルで戦うので米兵の中では小柄な兵隊が選ばれていたってことで、ボッシュも6フィートに届かない、日本人と比べても特には大きくないわな。

ストーリー運びは面白い。基本的には主人公の行動を追いかけてて、ところどころ視点人物が他に行っちゃうのはそうしないと話が分かりにくくなるからだろうな。

ミステリーとしては凝った物ではなくて、ボッシュが気がつくことは同じ所で読者もだいたい気がつく。ボッシュがわからなかったこと(主犯の動機)は動機開陳の告白まで自分もわからなかった。この辺のバランスがいい。