『敵対水域』P. ハクソーゼン、R.A. ホワイト、I. クルジン(三宅真理訳)

東西冷戦末期の大西洋で実際に起きたソ連原潜事故を扱ったノンフィクション。専門家の手によるノンフィクションだと往々にして無味乾燥なものになりがちなのだけど構成もいいし、文章も小説家が参加しているだけあってなかなかこなれていて一気に読み通せる。惜しむらくは訳者が軍事/潜水艦関係の知識が乏しかったってことで訳語に首を傾げざるを得ない箇所が多々あることか。